山本タカト美学の真髄は、作家が幼少期に憧れた挿絵の匠伊藤彦造の絵筆あるいは苛烈な色彩と描画で圧倒的な印象を刻みつけた月岡芳年の肉筆浮世絵の薫陶で画家をこころざし、かつてジャポニスムへの熱狂によって変容した西欧美術の影響を再帰的に受容あらたな山本ジャポニスムとして洗練昇華させた表現にある。最新画集『ジャポネステティーク』は、デビュー以来描き続けてきた浮世絵、日本美術の系譜につらなる山本独自の日本趣味・審美主義・耽美主義の集大成。『南総里見八犬伝』挿絵群・装丁画をはじめ、谷崎潤一郎全集のためのイコン、泉鏡花、岡本綺堂、横溝正史、山田風太郎、寺山修司、山白朝子(乙一)、劇団☆新感線等に提供した作品群のほか幽霊画・春画の連作等、山本ジャポニスム/エステティシスムの魅力が横溢するモノグラフである。
本画集は〈75部限定超特装版(ジークレー付)〉〈500部限定特装版 〉〈普及版〉の3パターンを発売いたします。
〈75部限定超特装版(ジークレー付)〉
山本タカト『ジャポネステティーク』
テキスト:山本タカト
仕 様:A4判、120ページ、上製、著者サイン入、サテン布張表紙、別丁扉、75部限定エディションナンバー(1〜75/500)入、著者サイン入オリジナルジークレー付